たった1本のトンネルで観光業が盛んに

Takenori自身がこの記事を読み終わるまでにかかった時間は約4分です。

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昨日のブログの続きで、とある場所で知り合った70歳のおじさんの話の続きを書いていきたいと思う。

脱談合と県知事

おじさんは今から10年前の2007年に、NHKスペシャルの番組に出演するために、約6ケ月間の取材を受けたことがあると教えてくれた。

その番組とは脱談合に関するもので、公共工事に携わる者として、また今後の社会基盤となる色んな建物や公共となる場所を造り上げていく者の立場を捉えた番組とのことだった。

おじさんはスマホを持っていなかったため、僕の携帯電話でホームページを見ることは出来るのかと聞いた後に、特定のキーワードで検索してみるように言ってきた。

そして出てきたのが、そのおじさんの名前や写真や、かつての県知事と今の県知事との会談の様子というような、言わば一般社会において「立派」だと形容される事業者としての顔持ちをしているおじさんの様子だった。

赤くて厚みがあることが伺えるカーペットの上で、高そうなスーツを着て知事と握手をしているおじさんの写真は、その瞬間僕の目の前にいるおじさんとは思えないほどに凛々しいいで立ちであった。話しているときは、本当にどこにでもいる軽トラに乗った農家のおじさん、というような姿だったのに。

たくさんの話を聞かせてくれたが、中でも脱談合に関する話がとても面白く、僕が知らない社会、まだまだ認知していない社会の話というのは山ほどあるんだなと思い知らされた。

つい先日にも、新たな公共工事着手のための会談を知事としてきたとのことで、その様子が地元のテレビ局により報道されていた。

「○月○日の何時におじさんがテレビに出ます。」

と何度も言われたので、なんだか見ないわけにはいかない感情にさせられてしまったんだよなぁ。

「テレビに出るから見てね。」

とまでは言われてないんだけどさ。

トンネル開通のため費用は20億

和歌山と言えば、日本本島に存在する海やビーチにおいて、トップレベルに綺麗だと形容される白浜という海岸が存在することで有名なハズ。毎年他府県からの観光客で賑わっているみたいだし、海沿いの街をテーマにしたアニメの舞台となるような土地でもある。

ちなみにこの白浜の砂は現地の砂ではなく、オーストラリアから輸入した砂であることも有名だ。そう、白浜の白い砂はオーストラリア産、ということ。

そんな白浜には、パンダがいることでも有名なアドベンチャーワールドが存在するのだが、このアドベンチャーワールドが存在する白浜へ行くにあたって1つ問題がある。それは、立地条件に伴う経路だ。

大阪から白浜までの高速道路は途中から1本道であったので、幼少の頃に何度か行ったことのあるアドベンチャーワールドへの道のりは、大変込み合っていたのを覚えている。

それを解消するために高速道路の車線を1車線増やしたのもここ10年以内だ。

そして今新たに、白浜とどこかの土地の経路を結ぶためにトンネル開通のための工事が始まっていて、その開通工事に要する費用が確か20億円ほどだとおじさんが教えてくれた。

工事途中の写真を見せてもらったが、入ってすぐに緩やかなカーブが始まり、開通しても入口から出口が見えないことがわかる、そんなトンネルであった。

完成すれば全長400メートルになると教えてもらったが、トンネルで400メートルだと割と長い部類に入るだろうか。

それでもたった400メートルだ。陸上競技経験者であればわかると思うが、短距離を専門にしていれば中学生でも60秒とかからずに走りきることが出来るほどの距離だ。

それが車となれば、時速40kmでも37秒あれば通過し終える距離となる。

そんな距離のトンネルを開通するための工事費用が、20億円だなんて。この額が妥当かどうかはわからないが、20億円の費用をかけた後に完成されたトンネルのおかげで、和歌山としては白浜への観光客をより集めることが出来、観光業もより盛んになるとのことらしい。

公共工事に携わるおじさんの正体

昨日と今日のブログで書いてきた「おじさん」の正体は、土木や建築事業に準じる中小企業を束ねる、地元有力企業の会長とのことだった。

出会った場所が場所であったために、最初は、

「どこかの農家のおじさんかなー。」

くらいにしか思ってなかったし、その上具体的な話や正体を明かされるまでに聞かされた話からはおよそ真実味の無い内容だっただけに、

「Cut the crap!」

と思いながら話を合わせていたのだが。

30分と経たないうちに、そのおじさんの元へとかかってくる電話の相手が主要都市の市長であったり、先にも書いたようにNHKスペシャルで取り上げられたり知事と会談をするような人だという、事実と証拠を目の前に置かれてしまい、

「もしかして有力者とお近付きになってんじゃねーの、この状況。」

なんていう感情が、正直なところ沸き起こってしまった。

「仲良くなっておけば何かいい話が舞い込んでくるかもしれない…」

なんてことは微塵も考えはしなかった。当たり前だ。

後日お呼ばれしたときのこと

出会ったその日、話し込むうちに22時を過ぎてしまったので、おじさんの好意により軽トラで家まで送ってもらったのだが、その途中で、

「後日改めて家に招待したい」

という嬉しいお誘いを頂き、そして実際に家にお邪魔するために迎えに来てくれたおじさんが乗っていた車は、あのレクサスであった。しかも最上級グレード。

「いい車に乗ると気分が悪くなる。軽トラが一番いい。」

と言っていたにも関わらず、いい車で送迎してくれるなんて。

おじさんは自分の半分も生きていない僕を、それはそれは丁寧にご自宅へと招き入れてくれた。地元で獲れた豪華な海の幸を奥さんが調理してくれ、それをお客としてやってきた僕に対して振舞ってくれた。

お酒を飲みながら、おじさんが出演しているNHKスペシャルのビデオを見た。内容の半分は理解出来ないものであったが、それでもおじさんの解説を聞きながら、自身では一生体験することのないテーマで語られる脱談合の話はとても面白かった。

おじさんとその奥さんにも、またいつでも来ていいと言われたので、事前連絡もなしに行ってやろうかと考えている今日この頃だったりする。

やましい気持ちを一切取り払った上でこのおじさんと出会えた良かったと思うこと。それは、僕自身が経験していなくても、また経験することがないであろうことでも、誰かの事実譚として聞かせてくれるその面白い話にあると感じた。

やはり、先人は偉大だ。


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